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issue: 192
title: 次の10年 雇用の未来を描く
subtitle: 創刊30周年特集 Vol.2 — 未来予測と12の提言
date: 2025-10
pages: 58
source: raw/w_192.txt
tags: [未来予測, 労働力不足, 汎用AI, エッセンシャルワーカー, 格差, リスキリング, 分権化, 働き方改革, 人口動態, ナラティブ, 12の提言, 創刊30周年]
type: issue_card
特集の位置づけ
Works誌創刊30周年特集の第2弾(Vol.1=w_191は過去30年の回顧、本号は次の10年の未来予測)。本誌編集=入倉由理子。浜田敬子編集長期(2022-2025)の代表作の一つで、雑誌が持つ社会提言誌としての性格が最も強く出る号。Section 1で5人の有識者による5つの予測、Section 2で12の提言+3社事例、最後に浜田編集長まとめの構成。w_193以降の佐々木体制が「個と組織の権限設計」論に特化していくのに対し、本号は社会・政策・教育・地域まで射程を広げた総合的ビジョンを提示する分岐点的な号。
中心的主張
- 「奇妙な人手不足」は高齢化と世帯増加が生む — 2040年に1100万人不足(古屋星斗)、単身世帯増で配送・介護負担増
- ホワイトカラー余剰 × エッセンシャルワーカー不足 — AI代替が速いホワイトカラーと、汎用ロボット普及が遅いブルーカラーのミスマッチ(山田久、井上智洋)
- アドバンスト・エッセンシャルワーカー(AEW) — 日本の現場力に高度スキルを加えた新職能で、賃金を高位に設定(山田久)
- 格差は男女・地域・正規非正規で拡大 — 女性の地方流出、同一労働同一賃金(矢田稚子)
- 人間の役割はナラティブ(物語)を紡ぐこと — AIの過度な依存回避、言葉の多様性、直感を言語化する(朱喜哲)
- 「漫然とホワイトカラー」を改革せよ — 日本はジョブ型ではないため能力が曖昧に昇進を続ける層を問題化、AIを前提にゼロベースで組織再設計(冨山和彦)
主要記事リスト
Section 1 社会・組織・働く人々の次の10年(5予測)
- 労働力不足(古屋星斗×山田久): 奇妙な人手不足、エッセンシャルワーカー優先
- AIと自動化(井上智洋): 汎用AI2027年登場説、汎用ロボット2030年頃、UBI論
- 格差と分断(矢田稚子×山田久): 女性地方流出、最賃1500円、スウェーデン・モデル
- リスキリングと労働移動(古屋×山田久×井上): AEW育成、ドイツマイスター制度、賃金ファンド
- 働く意味・職場(古屋×朱喜哲): 可処分時間増、倫理(エシックス)、ナラティブ、ローティ「会話」
Section 2 次の10年を動かす12の提言 + 3ケース
- 提言1 冨山和彦(日本共創プラットフォーム会長): AI時代に余る「漫然とホワイトカラー」を改革せよ
- 提言2 冨山和彦: 地方の中堅中小企業にホワイトカラーの移転を促せ
- Case 日本ガイシ(野崎正人 執行役員人材統括部長): ジョブ型で未来志向の組織へ
- 提言3 冨山和彦: エッセンシャル領域の教育の再設計を
- Case ティ・ディ・シー(赤羽優子社長): 宮城の精密研磨、技術×組織改革、80歳まで働ける
- Case 熊本県立八代工業高校(池田亨教頭、山下辰徳情報技術科主任): マイスター・ハイスクール事業、県内就職40→60%
- 提言4 梅村将成×伊藤綾(地域医療未来創造ネットワーク NRHA): 医療・介護職の働き方と意識のアップデート
- 提言5 大湾秀雄(早稲田大経済学者): 自律的キャリア形成のために人事機能の分権化を
- 提言6 小室淑恵(ワーク・ライフバランス代表): 「長時間働ける」より「さまざまな人が働ける」、割増賃金1.5倍、勤務間インターバル
- Case 沼田土建(青柳剛社長、武田寛副社長、吉田美由紀、林直子): 女性DX推進で現場慣行を変革
- 提言7 高橋氏: 増える共働きと単身者、「仕事以外」も尊重される職場を
- 提言8 橋本氏: 「壁」を撤廃し、すべての働き手に社会保険の適用を
- 提言9 宮野氏: 包括的な移民政策で外国人と真の共生を
- 提言10 曽川氏(関連): 大学は「問い合う」場であれ
- 提言11 谷川氏: 日本を停滞させてきた課題を克服し、競争力を取り戻せ
- 提言12: 常時接続時代にこそ必要な「不確実性に耐える力」を
- Column: 曹氏 — 韓国の若者が感じる絶望(「中産階級」として生きられない)
まとめ(浜田敬子編集長)「企業が変われば、社会が変わる」
連載
- ローカルから始まる(浜田敬子) — 舞台ファーム代表 針生信夫氏(農業)
- 人事のアカデミア: ケインズ
- Global View: From USA(ゴースト求人), Nordic(人海戦術の限界), Policy World(人口高齢化と豊かさ), Work Tech World(AIエージェントと"すり合わせ")
- 人事は映画が教えてくれる — 『フリーダム・ライターズ』(書くことによる自己変革)
- 著者と読み直す — 『ケアと編集』
登場する主要論者・組織
- 経済学・労働研究: 古屋星斗(リクルートワークス研), 井上智洋(駒澤大), 山田久(法政大/日本総研), 矢田稚子(元首相補佐官), 大湾秀雄(早稲田大)
- 哲学: 朱喜哲(大阪大)
- 実務: 冨山和彦(IGPI/日本共創プラットフォーム), 小室淑恵(ワーク・ライフバランス), 梅村将成・伊藤綾(NRHA/ソフィアメディ)
- 企業: 野崎正人(日本ガイシ), 赤羽優子(TDC), 青柳剛・武田寛ほか(沼田土建)
- 教育: 池田亨・山下辰徳(熊本県立八代工業高校)
他号との関係
- w_191 との対: 創刊30周年特集ペア(Vol.1 過去30年の回顧 / Vol.2 次の10年予測)
- w_194(適材適所): 大湾の「分権化」提言は w_194佐々木編集長まとめの「経営人事」「分権化」論の源流
- w_193(採用のジレンマ): 冨山の「漫然とホワイトカラー」論は w_193 黒田の「採用→才要」論と同型問題意識
- w_195(インクルージョン): 小室の「さまざまな人が働ける社会」は w_195 阿渡健太(日揮パラテク)のフルリモート1人1業務論と呼応
- 浜田→佐々木 編集長バトン: 本号(浜田最終盤)の「提言型」から、w_193-w_195の佐々木体制「個と組織の境界設計」論への編集方針の移行
読みどころ
- p.6-16 5つの予測 — 古屋・山田・井上・矢田・朱の有識者座談の連続は本特集の理論的心臓部
- p.14 アドバンスト・エッセンシャルワーカー — 山田久の造語。「ブルーカラーがホワイトカラー化」した日本の現場力を再評価
- p.15-16 朱喜哲の「ナラティブ」「エシックス」 — AI時代の人間の役割論。ローティ「人類の会話を守る」の引用
- p.18 冨山和彦 — 「日本型ジョブ型の曖昧さが『漫然とホワイトカラー』を生む」論
- p.21-22 TDC赤羽優子 — 中小企業の好例、80歳まで働ける、家族的経営×高付加価値技術
- p.26 大湾秀雄 提言5 — 人事機能の分権化5施策(職標準化、タレマネシステム、キャリコン、社内公募、リスキリング)
- p.27-28 小室淑恵 提言6 — 勤務間インターバルと割増賃金1.5倍のセット論
- p.40 浜田編集長まとめ — 浜田期の総括的メッセージ
一行サマリ
創刊30周年Vol.2 未来予測号 — 労働力不足×AI×格差×リスキリングの4重課題を5予測で診断し、12提言(冨山「漫然とホワイトカラー改革」、山田「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」、小室「勤務間インターバル義務化」、大湾「人事分権化」他)で処方する、社会提言誌としての Works の集大成。