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issue: 181
title: 賃上げは労働力不足を解消できるか(構造要約)
date: 2023-12
source: raw/w_181.txt
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type: issue_summary
労働力不足社会シリーズ第5弾(最終回)。4セクション構成。
はじめに(編集長序文, p.5)
- オーストラリアのカフェ最低時給30AUD(約2800円)
- 1992-2021年年間平均賃金: 米3.8万→7.5万USD(1.5倍)、日3.8万→4万USD(ほぼ横ばい)、独4.4万→5.6万、英3.4万→5万、OECD平均3.9万→5.1万
- 日本の賃金停滞は異常値
- 玄田有史: 「心の豊かさだけでなく実質的豊かさを、企業も個人も追求すべき」
Section 1 賃金が"上がらない"その背景と真相(pp.6-13)
賃金と物価の「慢性デフレ」メカニズム(pp.6-9 玄田有史)
- 2023春闘3.69%は久々の明るいニュースだが、実質賃金は18ヶ月連続マイナス
- 労働者が賃金上昇よりも下落回避を重視する心理 — デフレ気質
- 「賃上げしないなら辞める」と言えない高齢社会の宿痾
- ルイスの転換点: 農村から都市への低賃金労働者流入が枯渇して賃上げに至るという経済学概念
- 2000年代以降、農村労働者でなく女性・高齢者の新規参入が労働力不足を補い、賃上げが起こらなかった
- 団塊世代70代突入の2017年にもルイス転換点は来なかった
6つの誤解(p.10)
Section 2 上がらない層と職種 その構造と要因(pp.14-25)
男女の賃金格差(p.14)
- コース別人事、非正規率、昇進遅れ、結婚・出産ペナルティの複合要因
高齢者の低賃金(p.18)
人手不足職種は転職で賃金が上がるのか(p.21)
- 予想に反して上がりにくい構造
- 職種・業界の需給が直結しない
氷河期世代の賃金(p.24)
- 採用時期の経済環境が持続的に影響
- 非正規経験の長期化
Section 3 業種や国を超えた競争力のある賃金(pp.26-33)
グローバル企業で賃金が上がる理由(p.26)
- 人材の外部労働市場、海外基準
- 内部昇給だけでなく外部評価基準
日本の転職市場で上がり始めた賃金(p.28)
- 転職組は上昇傾向、在職組との格差
- 転職ペナルティの逆転
競争力のある賃金戦略(p.31)
Column ワーキング・ホリデーの今(p.30)
- 国内外の賃金差で若者が海外へ
- オーストラリアのカフェ時給2800円が引力
Section 4 賃金はこう上げる 先進企業4社の戦略(pp.34-41)
ミキハウス(pp.34-35)「値上げを原資に」
- 価格転嫁と賃上げを連動
- 中間層の価格戦略と賃金の関係
旭酒造(pp.36-37)「平均給与を2倍、初任給も大幅増」
AGC(pp.38-39)「競合となる業種の水準を意識」
- 自業界だけでなく、人材獲得で競合する業種の賃金水準をベンチマーク
- 業種横断のグローバル賃金設計
メルカリ(pp.40-41)「ジェンダーによる賃金格差を是正」
まとめ 浜田敬子編集長「『絶望』の国から働くことに『希望』を見出せる国へ」(p.42)
連載
- ローカルから始まる(pp.44-47) さとゆめCEO 嶋田俊平氏
- 人事のアカデミア第23講: 日本思想
- Global View: From USA(米最賃大幅引き上げとNY訴訟), Nordic(デンマークDXで人件費削減、生産性と賃金), Singapore(D&I→DEIBへ), Work Tech World(人材争奪戦で先行投資を)
- 人事は映画が教えてくれる: 『ハウス・オブ・グッチ』— ファミリービジネスの陥穽
- 著者と読み直す: 『R・E・S・P・E・C・T リスペクト』
読解メモ
- 玄田有史の「ルイス転換点予想外し」論は w_191河野龍太郎「収奪的システム」の理論的補完
- オーストラリア2800円/時のインパクトは w_193採用のグローバル人材争奪戦論と連動
- AGCの競合業種ベンチマークは w_194鵜澤のスキルタクソノミー、w_186人的資本論と連続
- 旭酒造の賃上げは w_192 TDC(ティ・ディ・シー)の事例と対、地方中小の高付加価値+賃上げモデル
- 労働力不足社会シリーズの5部作は w_177-181、本号が最終回
- 浜田編集長期の賃金・実質豊かさ論の起点
- 氷河期世代低賃金は w_189長寿就労でも中心論点、世代連関の軸