• データ主導の人材開発・組織開発

教科書『データ主導の人材開発・組織開発マニュアル』の要約

2021年に経営書院から出版いただいた教科書本『データ主導の人材開発・組織開発マニュアル』の要約を作成してみました。(本を書くというのは常にそういうものだと思いますが、総まとめができる代わりに、仕上がった途端に、書き足りなかったこと、新たに発見されたこと、が見つかってくるものなのです。ですので、ぜひ本書をお手元に置いていただきたいですが、同時に、実践にあたってはお問い合わせもいただきたいです。)

ところで、要約の作り方なのですが、動画から生成AIで要約を作成しています。この本には各章ごとに、QRコードでアクセスできる「ミニセミナー動画」がついています。そのミニセミナー動画の内容を、現時点で最もパフォーマンスが高いマルチモーダル(=テキストや画像や音声や動画などを扱える)生成AI、Gemini Pro 1.5に要約してもらったのです。動画ファイルをアップロードしてそのまま、文字起こし、要約、ブログ記事への変換等ができます。(会議の議事録作成もできるでしょう。)そのテストを兼ねて作成してみたというわけです。(おそるべし!)


【第1章】 データで人材開発・組織開発は変わる

本章では、データ活用による人材開発・組織開発の変化について解説しています。

ポイント

  • 人材開発・組織開発の精度を向上させる:従来のトレンドや一律の研修から、データに基づいた個別最適な育成・組織課題解決へとシフトする。
  • 人材開発部門と現場の管理職、両方の役割が変わる:
    • 人材開発部門:課題や育成ニーズをデータで可視化し、現場にフィードバックする仕組みや機会を作る。
    • 現場の管理職:個々のメンバーの強み・弱み・将来展望をデータから把握し、それに基づいた個別最適な育成を行う。
  • 働きかける対象も方法も変わる:
    • 従来:会社の全体最適や、その時々のトレンドに合わせた研修。
    • データ活用後:現場での測定・フィードバックを通じ、個々のメンバーに合わせたアクションを促す。

データ活用による変化の例

  • 従来の一律の研修から、個人の強み・弱みに基づいた研修へ。
  • 現場での行動観察や業績データなどを活用し、個々のメンバーの成長を支援。
  • データに基づいた組織課題の特定と解決策の立案。

まとめ

データ活用により、人材開発・組織開発はより個別最適化・効率化され、組織の成果向上に大きく貢献することが期待されます。


【第2章】 データが促す人材開発と組織開発の一体化

本章では、組織開発と人材開発の融合について解説しています。

ポイント

  1. 組織開発と人材開発を一体的に推進する:従来は別々に考えられていた組織開発と人材開発ですが、今後は融合させて考えることが重要になります。
  2. データを前に話し合い学習する組織を作る:データを共有し、全員が情報を把握した上で、常に話し合いながらパフォーマンスを改善していく組織作りを目指します。
  3. 意識調査と多面評価を一体的に活用する:組織やチームの状態、個人の働きなどを把握するために、社員意識調査と多面評価を一体的に活用します。

方法

  • 人材開発による方法:良い人材を採用し、研修でスキルを向上させることでチームのパフォーマンスを高める。
  • リーダーシップ開発による方法:リーダーのリーダーシップ能力を高めることで、チーム全体のパフォーマンスを向上させる。
  • 組織開発による方法:人と人の連携を強化し、コミュニケーションに焦点を当てることで、チームのパフォーマンスを高める。

今後の組織の形

  • 全員が情報を共有し、全ての仕事が可視化される。
  • 組織の境界が曖昧になり、誰でも参加できるオープンな状態になる。

まとめ

ITとデータの進化により、組織の在り方が大きく変わりつつあります。組織開発と人材開発を融合させ、データに基づいて常に学習し、改善していく組織作りが求められています。


【第3章】 人材開発部門で扱うべきデータとは

本章では、人材開発部門におけるデータ活用、特に主観データの重要性について解説しています。

主なポイント

  • 主観データの活用: 社員の思いや考えをデータ化することで、組織の課題や改善点をより深く理解できる。
  • 企業目的からの調査設計: 調査は、単に人事の管理対象だけでなく、企業目的達成に繋がる広い視点から設計する必要がある。
  • 自社ならではのアプローチ: 企業目的達成のための自社独自のアプローチを反映した質問を設定することで、より効果的な調査が可能になる。

主観データと客観データ

  • 主観データ: アンケートの回答など、人の主観に基づくデータ。
  • 客観データ: 金額や時間など、数値で表されるデータ。

主観データのメリット

  • 信頼性: 繰り返し調査することで信頼性が高まる。
  • 重要性: 組織運営において本質的な情報を把握できる。
  • 手間・コスト: 客観データに比べて収集が容易。

調査設計のポイント

  • 企業目的: 社会への価値提供と業績向上など、企業全体としての目的を明確にする。
  • 社員の視点: 社員の思いや考えを積極的に取り入れる。
  • 自社ならではのアプローチ: ビジネスモデルや戦略、行動基盤などを反映させる。

まとめ

人材開発部門は、主観データの重要性を認識し、企業目的達成に繋がる効果的な調査設計を行うことで、組織の戦略部門としての役割を果たすことができる。


【第4章】 調査設計の基本1(ディメンションの設計)

本章では、社員意識調査や多面評価などの組織サーベイを設計する際の重要なポイントを3つ解説しています。

ポイント1: 自社の「あるべき姿」を自社の言葉で問う

  • 一般的なモデルや表現ではなく、自社独自の価値観や戦略に基づいた言葉で質問することで、組織の現状と理想のギャップを明確に把握できる。
  • トヨタやメルカリなど、独自の価値観を重視する企業の事例が紹介されている。

ポイント2: 普遍的な評価軸を自社独自の言葉に進化させる

  • 組織の行動や成果は、「個人(ミクロ) vs 全体(マクロ)」と「現在(短期) vs 将来(長期)」という2軸4象限で整理できる。
  • この普遍的な枠組みをベースに、自社の価値観や目標を反映させた独自の評価軸を構築する。

ポイント3: 組織の評価軸と個人の評価軸は表裏一体とする

  • 組織の状態はリーダーシップ行動のアウトプットであるため、組織の状態とリーダーシップ行動は対応付けることができる。
  • この考え方を活用して、組織の状態に関する質問項目とリーダーシップ行動に関する評価項目を設計する。

【第5章】 調査設計の基本2(設問の完成)

本章では、組織や人材の状態を把握するためのアンケート調査における、設問設計と選択肢の設定について解説しています。

ポイント

  1. 回答選択肢はシンプルに:5段階尺度を基本とし、全ての設問で選択肢を統一することで、回答のしやすさやデータ分析のしやすさが向上します。
  2. 分析の軸となる最重要設問を想定:後の分析で重視する項目を事前に想定し、その項目に関連する設問を設計することで、より深い分析が可能になります。
  3. 価値観や選好を問う設問を追加:社員の価値観を理解することで、アンケート結果の解釈や組織改善への活用がより効果的になります。

推奨される選択肢

  • 5段階尺度:「強くそう思う」から「全くそう思わない」など、合意の度合いを問うシンプルな選択肢。
  • キャリアアンカー:社員の価値観を把握するための選択肢。

重要なポイント

  • 設問設計は、組織や人材のあるべき姿を明確にした上で、それを把握するための質問を設計することが重要です。
  • 選択肢は、回答のしやすさやデータ分析のしやすさを考慮して設定する必要があります。
  • 価値観や選好を問う設問は、社員の視点からアンケート結果を解釈するために重要です。

【第6章】 データ分析・活用の全体像

本章では、アンケート調査などから得られた回答データを分析し、人材開発・組織開発に活かすための手法を解説しています。

重要なポイントは以下の3つです。

  1. 具体から抽象へ:
  • 単純な集計結果で満足せず、問題・課題を分析し、施策の方向性を導く。
  • エクセルを活用しつつ、必要に応じて高度な統計手法も取り入れる。
  • 主観データならではの分析ポイントを理解する。
  1. 戦略スタッフとして分析する:
  • 「問題」と「課題」の違いを理解し、課題の特定を分析の目的とする。
  • 「あるべき姿」と現状の「差」を分析し、課題を洗い出す。
  • 部門平均と全社平均の差、ポジティブ・ネガティブ回答の差などに着目する。
  1. キーワードとストーリーで全体像を描く:
  • 分析結果をキーワードにまとめ、ストーリーとして繋げる。
  • 全体像を把握することで、施策の方向性を明確にする。

推奨される分析手法:

  • 差の分析:2つのグループの平均点の差を見ることで、直感的に理解しやすい。
  • 偏差値化:項目ごとのばらつきを調整し、より正確な比較を可能にする。

推奨されるツール:

  • エクセル:基本的な分析はエクセルで十分可能。AGGREGATE関数や動的配列関数など、新しい機能を活用することで効率化できる。
  • エクセル統計:重回帰分析など、高度な分析を行う場合に適した有料ソフト。
  • 清水 裕士先生による無料で利用できる重回帰分析ツール。

本章で紹介された手法を活用することで、アンケート結果をより深く理解し、効果的な人材開発・組織開発に繋げることができます。


【第7章】 データ分析の基本1(Step1~3: 現状を可視化する)

本章では、データ主導の人材開発・組織開発におけるデータ分析の基本と現状を可視化する方法について解説しています。

主なポイント

  1. 件数を数える:分析の前に、各選択肢を選んだ人数や選択率を正確に把握することが重要です。これは、その後の分析の基礎となります。
  2. 点数化と平均点:選択肢に点数を割り当て、平均点を求めることで、全体的な傾向を把握できます。レーダーチャートを用いることで、各項目の平均点を視覚的に比較できます。
  3. 偏差値で強み・弱みを浮き彫りにする:平均点だけでなく、偏差値を用いることで、全体平均との差を明確にし、各部門やセグメントの強み・弱みをより正確に把握できます。偏差値によるランキングやグラフ化は、視覚的に理解しやすく、信頼性も高い方法です。

ケーススタディ

動画では、架空の企業「ABCエンジニアリング」を例に、上記の方法を用いて現状を分析しています。

  • 課題:3つの事業部間の連携不足、利益率の低下、革新性の欠如
  • 目標:3事業連携による総合的なソリューション提案、製造業の環境課題解決
  • 分析結果:設備事業部は仕事への熱意は高いが、経営陣への信頼が低い。また、イノベーティブな社風が全社的に欠如している。

【第8章】 データ分析の基本2(Step4~5: 課題解決の鍵を見出す)

本章では、データ分析を用いて組織課題を特定し、解決策を導き出す方法を解説しています。

主なポイント

  1. 現状の可視化から課題の特定へ: アンケート調査などを通じて現状を数値化し、課題を明確にします。
  2. 目的変数の肯定で母集団を分けて差を分析: 解決したい課題(目的変数)に対して肯定的な回答をした集団と、そうでない集団を比較し、その差から課題の原因を探ります。
  3. 取り組むべき課題と施策の方向性を見出す: 分析結果から具体的な課題を特定し、解決策の道筋を立てます。

ABCエンジニアリングのケーススタディ

動画では、架空の会社「ABCエンジニアリング」を例に、上記のポイントを具体的に解説しています。

  • エンゲージメント向上: アンケート結果から、経営陣の情報発信不足と管理職のリーダーシップ不足が課題として特定され、対策として経営陣からのビデオメッセージ発信や管理職向けの研修などが提案されています。
  • バリューの浸透: バリュー浸透度が低い原因として、管理職のリーダーシップ不足が挙げられ、対策として部門間連携を強化するためのセミナーなどが提案されています。

分析のポイント

  • 目的変数は、エンゲージメントやイノベーティブな社風など、組織が最終的に高めたい項目を設定します。
  • 目的変数に対する肯定度合いによって集団を分け、各設問への回答の差を分析することで、課題の原因を探ります。
  • 分析結果から、経営陣、管理職、一般社員など、それぞれの立場に合わせた対策を講じることが重要です。

まとめ

データ分析は、組織課題を客観的に捉え、効果的な解決策を導き出すための強力なツールです。動画で紹介された手法を参考に、自組織の課題解決にデータ分析を活用してみてはいかがでしょうか。


【第9章】 データ分析の基本3(Step6~7: アイデアを創造する)

本章では、因子分析という統計手法を用いて、人材開発や組織開発に役立てる方法を解説しています。

ポイント

  1. まとめのためのデータ分析手法(因子分析)を活用する
    • 多くの項目(例:社員意識調査の質問項目)を、より少ない主要な因子(例:文系能力、理系能力)にまとめる分析手法。
    • 統計ソフトが必要だが、イメージだけでも理解しておくことが重要。
  2. 因子分析ではネーミングのセンスが鍵になる
    • 抽出された因子に適切な名前(キーワード)をつけることが重要。
    • キーワードは重複せず、意味が明確になるように設定する。
    • 2軸4象限のディメンションにキーワードを配置することで、意味内容や相互関係を整理できる。
  3. マップやストーリー図で全体像を把握する
    • 抽出された因子の中から、主要な2つを選び、2軸としてマップを作成する。
    • マップ上に部門や人材を配置することで、特徴を一覧でき、議論や人材配置の調整がスムーズになる。
    • 因子間の影響関係を分析し、ストーリー図を作成することで、最終的な目標達成への道筋を明確にできる。

活用例

  • 社員意識調査の結果を分析し、組織や人材のタイプ分け、育成、配置に活用する。
  • 営業業績など、社員意識調査以外のデータも組み込んで分析し、業績向上のための施策を検討する。

まとめ

因子分析は、複雑なデータを整理し、組織や人材の全体像を把握するための強力なツールです。適切に活用することで、人材開発や組織開発をより効果的に進めることができます。


【第10章】 テキストデータの分析の仕方

本章では、アンケートの自由記述回答など、テキストデータから有益な情報を引き出し、分析する方法を解説しています。

主なポイント

  1. 自由記述質問の活用: 選択式質問だけでは得られない、具体的な意見や提案を収集できる。
  2. Excelでの分析: 単語への分解、出現頻度カウント、単語間の相関分析など、Excelの基本機能で定量的な分析が可能。
  3. テキストマイニングツールの活用: KH Coderなどのツールを使うことで、より効率的に単語抽出、データ化、共起ネットワーク図の作成、対応分析などが行える。

分析のステップ

  1. データ収集: 自由記述質問を設定し、回答を集める。
  2. データ整理: テキストデータを単語に分解し、出現頻度をカウントする。
  3. 定量分析: 単語間の相関や出現パターンを分析し、全体像を把握する。
  4. 可視化: 対応分析や共起ネットワーク図を用いて、分析結果をわかりやすく表現する。

分析の目的

  • 社員の意識や意見を理解する。
  • 組織の課題や改善点を発見する。
  • 意思決定や施策立案に役立てる。

ツール

  • KH Coder: 無料で利用できるテキストマイニングツール。
  • Webベースのテキストマイニングツール: 最近ではWeb上で利用できるツールも登場している。

重要なポイント

  • テキストデータの分析においても、客観性と定量化が重要。
  • 分析結果をわかりやすく可視化することで、理解しやすく、共有しやすい情報となる。
  • ツールはあくまで手段であり、目的を見失わないようにする。

まとめ

テキストデータ分析は、組織の課題解決や意思決定に役立つ強力なツールです。ExcelやKH Coderなどのツールを活用し、適切な分析方法を選択することで、有益な情報を引き出し、組織の改善に活かすことができます。


【第11章】 効果的なフィードバックの仕方(多面評価)

本章では、多面評価フィードバックを効果的に行うためのポイントを、知・情・意 の3つの側面から解説しています。

情:感情への配慮

  • 多面評価の結果を受け取った際、人は自信喪失や無視といった感情的な反応を示すことがある。
  • これは、評価結果を客観的な事実として捉えてしまうことが原因。
  • フィードバックを行う際は、相手の感情に配慮し、結果を素直に受け入れられるよう、視点の転換を促すことが重要。
  • 具体的には、回答者から見た主観的事実をイメージしてもらい、組織運営において重要なのは、メンバーからどう見えているかという主観的事実であることを認識してもらう。

知:強み・弱みの理解と方向性の設定

  • 感情面へのケアを行った上で、フィードバック対象者の強み・弱みを理解してもらう。
  • 自己評価と他者評価の偏差値を比較し、ズレを認識してもらう。
  • どの項目が強みで、どの項目が弱みかを明確にすることで、取り組むべき課題と、今後の活動の方向性を定める。

意:個人の取り組みを組織の目標達成につなげる

  • フィードバックの結果をチームで共有し、チーム全員で目標設定を行う。
  • チームメンバー全員の強み・弱みを考慮し、誰がどの目標を達成するのか、誰が誰をサポートするのかを具体的に決める。
  • チームメンバー全員が、お互いの強み・弱みを理解し、尊重し合い、成長を支援し合う関係を築く。
  • 最終的に、チームメンバー全員が組織の目標達成に向けて一丸となって取り組めるようにする。

まとめ

多面評価フィードバックは、単に結果を伝えるだけでなく、対象者の感情・強み・弱み・意欲に配慮し、組織の目標達成につなげることが重要です。


【第12章】 効果的なフィードバックの仕方(社員意識調査)

本章では、社員意識調査の結果を元に、効果的なフィードバックを行う方法と、組織文化の変革について解説しています。

効果的なフィードバックのポイント

  1. 優先課題の特定:調査項目を点数順に並べるだけでなく、総合満足度への影響力や、前年度からの改善度合いなど、別の軸も加えてマトリックス上に配置することで、優先的に取り組むべき課題を明確にする。
  2. 行動を後押しする仕掛け:行動経済学の「ナッジ」の理論を活用し、社員の行動変容を促す仕組みを作る。例えば、小さな成功を頻繁に評価する、目標を短期的なサイクルに落とし込むなど。
  3. 対立する文化への対処:組織文化には、イノベーションを促進する文化と、それを阻害する文化が存在する。新しい仕組みを導入する際には、阻害要因となる文化への対策も同時に講じる必要がある。

組織文化の変革

  • 組織文化の型には、大家族型、ヒエラルキー型、市場型などがあり、それぞれが対立する関係にある。
  • イノベーションを促進するためには、部門を超えた情報共有や、新規事業案のコンテスト開催など、新しい仕組みを導入する必要がある。
  • 同時に、既存の組織文化から新しい取り組みを守る仕組みも必要となる。

まとめ

効果的なフィードバックと組織文化の変革は、組織の成長に欠かせない要素です。社員意識調査の結果を分析し、適切な対策を講じることで、組織の目標達成に近づけるでしょう。


【第13章】 事例編: 中央官庁の管理職の能力向上に向けた取り組み

本章では、霞が関の中央官庁の事例をもとに、人材開発と組織開発を一体化させる取り組みについて解説しています。

ポイントは以下の3つです。

  1. 組織として達成したい目的指向で進める
  • 霞が関の事例では、「公務員人材資源の有効活用」という大目的からスタートし、管理職に求める行動を定義、定着、効果検証するプログラムを段階的に実施・拡大していきました。
  • このアプローチにより、リスクを抑えながら施策を練り上げ、最終的に組織全体に適用することができました。
  1. あるべき組織像・人材像を設問に落とし込む
  • 霞が関の事例では、多面評価と職場環境調査を組み合わせ、管理職の行動と組織・個人の状況を一体的に把握・改善する仕組みを構築しました。
  • 評価軸は有識者会議で設定した5つのディメンション(方向性提示、調整・連携、率先垂範、人材育成、職場環境)で、バランスの取れた内容となっています。
  1. 多面評価と意識調査を一体でフィードバックする
  • 霞が関の事例では、多面評価と職場環境調査の結果を組み合わせ、管理職の行動と部下の状況の相関を可視化してフィードバックしています。
  • これにより、管理職は自身の行動が部下にどのような影響を与えているかを具体的に理解し、改善に向けた内省を促すことができます。

その他、ワールプール社の事例では、さらに踏み込んで、チームの目標達成に向けたチーム全体、チームリーダー、チームメンバーそれぞれの役割や行動を相互に評価し、チームパフォーマンスの向上につなげています。

これらの事例から、人材開発と組織開発を一体化させることで、組織の目標達成や課題解決に効果的に取り組むことができることが分かります。