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社員意識調査(サーベイ)結果の理想的なグラフ表示法

社員意識調査(サーベイ)結果の理想的なグラフ表示法を紹介します。(プロの中でも知っている人はたぶん少ない!)

アンケートを5段階の回答選択肢(リッカート尺度、5件法)で作成した場合、5段階に5点~1点を割り当てて点数化することが(理論的にはツッコミどころはあれど)一般的です。そうすることで、平均、バラツキ、偏差値、そして多変量解析・・・等々と分析を進めていくことができます。点数化=数値化=抽象化が重要なのです!

しかし、「どの選択肢に何人が(あるいはどれくらいの割合の人が)回答したのか」ということもまた非常に重要な情報です。たとえば、「『当社には将来性があるか』という設問に対して『まったくそう思わない』と回答した人が一定数いたとしたら、何人(あるいは100人中何人)いたのか」ということは経営者にとって大きな関心事項でしょう。「回答の内訳」を見たいのです。点数化=数値化=抽象化したくないのです!

この2つの要請を同時に満たすグラフが、「ニュートラル(中立)を中心にプラス方向およびマイナス方向に伸ばした」、選択肢別人数構成のグラフです。
・グラフの山谷の形で直感的にレベルを把握できる上に、
・回答の内訳まで見ることができる、
スーパーなグラフなのです。この一枚だけで、平均点(=重心)、肯定率、分散、具体的な人数分布に相当する情報を、しかも全設問を一度に、眺め回すことができます。

「Excelの帯グラフで普通にできるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それが、できないんですよ・・・プラス側とマイナス側と両方に張り出させることが普通にはできない上に、ニュートラルの回答の扱いが難しいのです。Excelの小技を相当に駆使することになります。それがこのグラフが一般的に使われていない理由でしょう。

このグラフの作り方について、次の記事で紹介がなされています。
日本インスティテューショナル・リサーチ協会コラム
[井芹俊太郎](法政大学)[田尻慎太郎](北陸大学)
二極分散型積上げ横棒グラフ(Diverging Stacked Bar Chart)の作成方法1(Excel編)

このグラフ型式を用いて社員意識調査(エンゲージメントサーベイ)結果を納品してくれるサーベイ会社に、東海共同印刷さんがあります。問い合わせてみてください。(もちろん私自身もやってますので弊オフィスにでもよいですよ。)
よい会社・組織づくりを応援!従業員エンゲージメント調査代行サービス

AIとかではない、まずは基本とも言えるデータの扱いの領域ですが、そこにもイノベーションが起こることは興味深いですね!