• データ主導の人材開発・組織開発

因子分析の実用的な適用方法

例えば64個の設問の質問紙があったとして、そこに聞きたい設問が集められていたとして、しかしそれを納めるカテゴリ構成は一般的に感覚的なものにすぎず、データを分析してみると設問間の相関は、カテゴリをまたがって入り乱れている(構成概念妥当性が裏付けられない)のが通常です。

それを、キレのよいすっきりしたカテゴリ構成に編成し直すために、因子分析を用いたりします。しかし、因子数のターゲットを決めたとして、因子と設問との対応関係をすっきりつけるのが難しく、あわよくば2→4→8→16→32→64と2分割してゆけるシンメトリーのツリーのようなカテゴリ構成の中に設問を納めたい、などという願望は夢のまた夢なわけです。

そこで、2因子のみを抽出する因子分析をすることにして、一方の因子との相関で設問を並び替えて設問を半分ずつに割り、半分ずつに割った設問群それぞれに対してまた2因子の因子分析をする・・・と強制的にシンメトリーのツリーを作っていくと、そこそこ良い結果が得られます。

この方法は、学問でもなければハイテクでもありませんが、機械的にできるので方法としての切れ味はピカイチです。お試しあれ。(ただし、因子へのラベル付けは、内容を解釈して適切な言葉を選んでいかなければならず、そこでは通常の因子分析の時と同じくセンスが問われます。もっとも、常に2分割していくので、ここにおける対立概念は何か、と考えてゆけばよいので、考えやすいでしょう。)